フィリピンでは闘鶏が盛んだ
ドゥマゲッティも例外ではなく一家に一台、車ではなく
一家に一羽以上闘鶏用の鶏を飼っている
これはもちろんお金を賭ける真剣勝負であって
鶏側からしても生きるか死ぬかの闘いをするので
人間も鶏も人生がかかっている真剣勝負
その世紀の一戦のために何年もかけて鶏を育てる
何年も手塩にかけてこの日のために鶏を育てる
「強くなれよ、強くなって一緒に稼ぎまくろうぜ」と
一家の夢を背負って鶏君達は強くなるための特別な餌などを食べ
闘うためだけに育てられ、世紀の一戦を迎える
その辺りの闘鶏にかけるフィリピン人については
船戸与一さん作の虹の谷の5月にうまく書かれている
ちょっと見る人によってはグロテスクに映るかもしれないが
そのフィリピン人と鶏にとって人生をかけた一戦の様子を動画に撮った
周りの人も大金を賭けるので盛り上がるのは必死で
野郎だけだが、異様な盛り上がりを見せ
会場は暑苦しく、男臭い熱気に包まれる
それでも外国人の僕らが入って行くと、どこまでも優しく
真剣勝負の合間にも関わらず一番見やすい
出場者のみ入れる席に案内してくれる。
こうして、男たちの熱気と優しさに包まれながら
鶏と飼い主の人生がかかった世紀の一戦がはじまる