ジャーニードゥマゲッティダイビング&ネイチャーツアー

諦めないダイビングライセンス取得

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今まで19年ダイビングインストラクターとしてダイビングライセンス講習をやってきて講習が最後までできずに途中リタイアしてしまった生徒は3名だけ。
そのうちドゥマゲッティに来てからの5年半で1人だけ途中棄権している。
途中棄権する理由は様々であるが、一番根本的にあるものが海が怖い、水が怖いである。
これはなかなかトラウマ的なものも絡んでくるし、深層心理の問題でもあるのでこれを覆すのは容易なことではない。
その内なる恐怖に勝る何かがないと難しく、また最終的には自分自身で乗り越えないと解決できないことなので頑張ってはみるもののダメですというケースもある。
そこを最終的に決めるのも自分なのでダメなものはしょうがないが、自分がダメと決めない限り僕は諦めない
今回は海への内なる恐怖、思うようにいかない葛藤と自分自身との闘いを乗り越えて最終的に諦めず、やり続けたことによってダイビングライセンスが取得できた女性の記録である。

今年の夏ダイビングライセンスを取得しに来た姉妹の妹の方だったが、姉は怖さも感じずにすんなり始めることができたが妹の方がいつまで経っても水中で呼吸をするということに抵抗があり、恐怖を感じ先に進むことができずにいた。
台風のほんの少しの影響だが波が少しあり、海が濁っていたので身体が揺れるのや、下が見えにくく、何よりも水中で呼吸する恐怖、呼吸ができるということが受け入れられないでいる。
ダイビングはまず受け入れられないと厳しく、頭で考えてしまうとどんどん怖くなる。
それの典型的なパターンでこうなったらどうなるとか、これはどうかとか頭がぐるぐる回っていらぬ心配ばかりして全く先に進めない感じだった。
考えても仕方がないことは考えない方が良いし、性格的な問題もあるがまずは素直に受け入れ、言われたとおりにやってみることが大切だ。(だから子供はダイビングすんなりできて上手い)
大人で一旦怖いとか、思うようにいかないとか、もう嫌だと思い込んでしまうとなかなかそこから抜け出せなく、完全に自分との闘いになり、人の言うことも聞けなくなり、自分1人の小さな世界にはまってしまう。
そうなるとそこから逃げ出したいのでこんなことはもうコリゴリ、辞めてしまえとなるのだがこの妹はそこの意志は固く「しんどい、無理、恐い」と言いながらも最終的には諦めなかった。

ダイビングをやりたいと言い出したのは自分だったし、綺麗な海を見たいし、ウミガメとも泳ぎたかったので最後で踏みとどまり根性を見せた。
波がない海を探して何回か海を変えて手を変え品を変えながらひたすら呼吸の練習をし、安心感と信頼感を確認できるまで手を握り、言葉をかけ続け、ポジティブな考え方になるように導き続け、なんとかやっと呼吸ができ少しだけ泳げるようになり1日目が過ぎた。
このままでは二日間では終わらないだろうと話をしていたのだが二日目で奇跡が起こった。
呼吸の練習を再び長くして、少しづつ海に導いて行って魚達を見はじめ、綺麗な珊瑚や魚や海を認めたら一気に変化が起こった。
「ダイビング面白い!」と気が付いてからは本当に早かった。
その楽しみを知ってから今までのは何だったのかと言うぐらい活発になり、動けるようになり、講習もスムーズにいき今まで心配していた姉さえもどっと飛び越えて上手くなってしまった。
人間の能力というのは脳力とも言いかえれられるほど脳や細胞のスイッチのオンオフによって劇的に変化するものなのか?と目の当たりにした。

今回は本気でドゥマゲッティに来てから2人目のダイビング人生で4人目の途中棄権者が出てしまうのかと感じていたが、彼女が諦めないでいてくれたお蔭で何とか最後までやり遂げることができ、かつそこからの展開が早く講習後もダイビングを続けて念願のウミガメとも泳ぐことができ、その後エルニドやコロンでダイビングまでしたと聞いて度肝を抜かれた。

ダイビングのライセンス取得は決して難しいことではない
難しいと決めつけてしまうのは自分自身で、そこには頭だけを使うことを重視し、自然や自らの身体全体を使うことから切り離されてしまった現代社会人の悪しき習慣がそうしてしまっていると僕は感じる。
私達インストラクターの仕事はその人の本来持っている内なる自然、野性を導いてあげて海と調和し海を楽しむ手助けをすること
個々の能力を引き出してあげる、良い音色やハーモニーを調節、導き出してあげる指揮者やコーディネーター、プロドゥーサーのような役目なのである。

ダイビングライセンス取りたい

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