スミロン島の浅場が好きだ
様々な珊瑚に群がる様々な色彩の魚達
水の透明感が極めて高く
水深が浅いと太陽光がよく届くので
すべてがクリアーに透けて見える
光と様々な色彩に祝福されているかのような
光輝く世界がそこにある
水中で息をするのを忘れてしまうぐらい水が透明だが
水族館のような偽りの世界ではなく
生の世界、生き生きとした世界が目の前に広がる
小さく繊細だが、生の息吹を感じ
心がほっと温かく、透明になる
懐かしい感じに包まれる瞬間がある
自分はどこから来たんだっけ??
と不思議な錯覚におそわれる
陸上に帰りたいような、いや帰りたくないような
生まれてるんだか、死んでいるんだか
海の中にいるとそういう根本的な自分というものから
離脱して、一生命体に帰る感じがする時がある
「お帰りなさい」とそっと誰かが囁いている気がする
人間はいろいろなところに帰るところがある