セブでイワシの群れが出るのでそれが見に行きたいんです。とリクエストを聞くと言う人が最近たまにいるが、セブでも長くダイビングの仕事をしていた僕は??と思う。
イワシの群れは別にセブだから出るわけではなく、季節やタイミングで出るだけであって、セブがイワシの群れで有名なわけではない
セブという知名度がある場所だからこそ、その世界中どこでも見れる、季節ものを名物や特産物にできるこの羨ましさ!
羨ましいなーっと思っていたら、先日超浅場でものすごいイワシの群れに遭遇し、これがイワシの群れだーーー!!
ドゥマゲッティ、ダーウィンのイワシの群れはセブともスケールが全然違い、しかも超浅場で目の前で見れる――!!と大興奮だった。
動画で見てもらったら一番早いと思うのでまずは動画をご覧ください。
なかなか動画でも伝わりにくいが、この臨場感、躍動感、このものすごい数のイワシ達が所せましと踊り、泳ぎ狂う
あーー終わった、やられたーーっと一瞬思うくらいものすごい数のイワシがこっちに突っ込んできて、すれすれでかわしていく、よくぶつからないなとこっちが関心してしまう。
イワシめがけてアジなんかもいろいろ集まって来る
ここは戦場
必死に逃げ惑う奴と、必死に追いまくる奴の攻防戦
その真ん中にダイバーが唖然といる
辺りが急に暗くなったな、あ、太陽が隠れたのかな、雨が降るのかなとか
水面上の様子を気にしていたら、一瞬にしてイワシの大群に囲まれていた
必死な闘い、戦場ではダイバーなんかみんな気にしない
その場にいるだけで、その気が伝わってくるのか、こちらもアドレナリンが出て、興奮してくる
大自然の中では一瞬にして状況が変わることがある
人知を超えた何かが起こることがある
その時僕は何にも代えがたい興奮や喜びに包まれる
人知の及ばない領域に入った時僕は血が沸きだし、不思議と人知を超えた力が沸いてくる感じがある。
その場に同調しているのか?
それは定かではないが、凶暴になりこのイワシ達全部根こそぎ捕まえてやるーーっという気持ちが沸く時もあれば、逃げないと捕まるなーーっという恐怖心にかられる、そんな気持ちが交錯する。
海を通して、その一瞬何者かと心や身体を交わしていくということがたまにある。
そういう時は決まって流れや、時間の感覚が狂ってくる
そういう感覚がこのイワシの大群に出会った時も訪れた。
環境との同調と人知を超えた興奮
だからダイビングはやめられない
人知を超えた経験をすると、とりどめもない興奮と高揚、それと同時に自然への畏敬の念が沸きあがる
動と静のバランスが取れ、腑に落ちる、完全なる満足感が訪れる
イワシの群れから、その場に一瞬にして発生した自然のカオスとプラグを繋ぎ、やっと待ちに待っていた本当の充電ができた感じがある。
この瞬間を私は待っていたんだと思った