また新たにドゥマゲッティで大学生ダイバーが誕生した
単位も取れていて、就職先ももう決まっている、卒論もほぼ終わっている大学生は
悠々とこの閑散期にやってきて伸び伸びと英語とダイビングを学び、満足して帰国した
最初はダイビングのライセンスを取ることを迷っていたが、せっかくの機会だからと勇気とお金を振り絞り見事ダイビングのライセンスを取得した。
それは一生分の自分への投資にも値する
(有効期限なく一生使い続けられ、世界中どこでもダイビングがこれから楽しめるので)
ダイビングのスキル自体は問題なくすんなりやれたのだが、普段から鼻がかなり詰まっていて、もともとの器官の形状や性質上(耳管など)耳抜きがやりにくい人だった
耳抜きがしにくいので、そこにかなり集中していて、周りがあまり見えなく、耳抜きするのにも時間がかかるのでかなり大変だったと思うが、それでも投げ出さずにやり続けたのは偉い
そんな努力や根性を神様は見ているのか、2日間の練習中にも何度かウミガメを見せてもらえた。
ダイビングをやればやるほど慣れてくるので、だんだん耳抜きが少しづつだけどやりやすくなり、やっと最終日の最後のダイビングで周りが見え、綺麗な水中の景色や色とりどりの珊瑚や魚達をじっくり見ることができた。
カクレクマノミ(ニモ)をじーっと見ている彼の姿は印象に残っている
「やっと痛い思いをせず、耳抜きのことを気にせず水中の世界を楽しめたね、おめでとう」
どんなことをやるにも、特にやりはじめは困難が付き纏う
そこにめげずにやり続け、何とか乗り越えた時に本物の世界が広がる
ダイビングは陸上では経験することがない圧力や浮力などの問題が出てくるので最初は苦労するが、人間は本来そういう困難や違う環境にも適応し生き残ってきた生物だ
その適応能力を活かして、ものともせず順応し続け、その先にある楽しみや幸せを個々で見つけていく
この先大学生の彼は社会という大海原に出て様々な環境や困難に直面する
彼自身いずれ海外に出て活躍したいとも言っている
その時ダイビングのことを是非思い出してもらいたい
社会という荒波や、世界という大海原に出ても海は海、地球は地球
たとえ宇宙に出たとしても、ダイビングがそうであるように、どんな環境でも深さでも中性浮力を保ち続け、無理に逆らわず、時にすべてを受け入れ、ただただ漂うことも大切だ
まずは中性浮力!
それからそれぞれのダイビング(人生)がはじまる